ALSと青森で自由に生きる。

難病ALSになった30代女性が、地元青森県で自由に生きるための試行錯誤と実践を記す。制度等はあくまでも青森県の場合です。

胃ろう造設①

どうも、もっちーです。

今回からしばらく、この記事↓↓

 

motchyals.hatenablog.com

 

で取り上げた項目を一つずつ詳しく書いていこうと思います。

今回は胃ろう造設手術について。

胃ろうとは?

今年の春、飲み込みが異常にしにくくなり、食べるときや飲み物を飲むときに気を付けないとむせてしまうことが続きました。

むせるのは健康な方でも苦しいですが、私のような呼吸機能も衰える病気の場合、咳をして気管に入ったものを取り除くことが難しくなります。それによって気管や肺に良くないものが残ってしまい、肺炎を起こしたり(誤嚥性肺炎といいます)、最悪な場合その肺炎によって命を落とすこともあって、とにかくALS患者の大敵=「むせ」なわけです。

しかし食べないわけにはいかないので。むせるのを防いだり、そもそも飲み込むことが困難といったときに、直接栄養を胃に入れるために「胃ろう」を用いるのです。

胃ろうには様々な種類がありますが、基本的に手術でお腹と胃に穴をあけて装着します。使うときは蓋を開けて栄養や水分が入った入れ物とチューブで繋いで入れます。ちょうどビーチボールの空気入れがイメージ的に似てるなぁと思います。

手術までの流れ

私の場合ですが、手術まではこのような流れで行われました。1~3の順番は病院によるかと。

  1. 消化器科で診察...胃ろうの説明、手術の仕方の説明、リスクの説明と確認
  2. 入院
  3. レントゲン&胃カメラ検査...胃ろうをつけられる身体か調べる
  4. 手術

私はこの病気になるまでいたって健康で、手術どころか胃カメラもやったことがありませんでした。胃カメラがあんなに苦しいとは...検査後、先生にも「かなりきつそうだったね」と苦笑いされる始末。

何があったかというと、そもそも私は嘔吐反射(歯ブラシでオエってなるやつね)が強い。それなのに喉の麻酔を口内にうまく行きわたらせなかった。そして最大の失敗は鼻がつまって口呼吸しかできなかったこと。

看護師さんに「はい、落ち着いて~鼻から息吸って~大丈夫だよ~」と言われるも、オエオエするし喉は痛いし息は口からしかできん。全然大丈夫じゃねぇええ、と思っても声は出ないし検査はノンストップである。涙を流しながら時が過ぎるのを待ち、やっと終えたころには5歳くらい老けてたよ多分。

耐えた甲斐あって胃ろうをつけるのに問題ない身体だとわかりましたが、胃カメラやるなら手の甲から採血100本のほうがよっぽどマシだということもわかりました。

いざ手術

朝一番の手術とは聞いていましたが、予定は未定なもので...そわそわしながら呼び出されるのを待ちつつ、前回の失敗を繰り返さないように入念に鼻をかみ鼻くそも取る。準備はオッケーだ。ほどなくして呼び出しがかかり、人生初の手術着というものに袖を通す。

いよいよ始まるのか。帰ってきたら、もうきれいなお腹じゃないんだな。誰に見せるわけでないけどお腹の写真撮っておけばよかったな。などと少し感傷的になりながら、手術室に運ばれていく。

前回の胃カメラと同じ手順で準備が進む。来た来た、喉の麻酔スプレー。今回はしっかり口中に広げて、なんならおかわりもしてゴクリ。反省は生かすタイプである。

ただ胃カメラと違うのは、麻酔を用いるという点。腹に穴をあけるのだから当たり前に麻酔は必要なのだが、ALS患者の場合は注意が必要で、呼吸の障害があるとガツンと効く麻酔は呼吸が止まるおそれがあって使えず、うとうとして眠いなぁくらいの薬を様子見ながら使うそうだ。

効かなかったら痛いじゃんナニソレコワイとか考えてるうちに、手術室看護師さんのプロの技によってものすごいスピードで点滴を準備され、先生の合図で薬が入れられたら寝た。ソッコー寝た。うとうとレベルじゃなく寝た。(後日談。先生曰く私はちょっと人より薬が効きやすいタイプだそう)

一度起きた。というか起こされたようだ。腹には経験したことのない痛み。麻酔弱いですー、とぼんやりした意識の中思っていたら、先生に「まだかかるけど大丈夫?痛い?」と聞かれ、あらかじめ決めていた痛いときのサインであるバタ足をしたところ、「○○強めよう...」的な話し声が聞こえ、何が~?!とか思ってるうちにまたしても深い眠りに落ちました。

次に目を覚ましたのは内視鏡が喉のあたりを通って口から出てくるところだった。

看護師さんに終わったよ~と優しく声を掛けられたら、それまでの緊張や不安から解き放されたように感じられ、安心した私は案の定眠ったのでした。

 

以上、手術前から当日の様子でした。

本当は手術後の様子をこの先載せたかったのですが、あれこれ思い出して書いてるうちにすごく長くなってしまったので、続きは次回にしたいと思います。

もし、胃ろうに関する質問というか実際これはどうなの?っていうことがあれば、Twitterか記事の下のコメント欄にメッセージいただけたらと思います。

最後まで読んでいただきありがとうございます♪

へばの~。