ALSと青森で自由に生きる。

難病ALSになった30代女性が、地元青森県で自由に生きるための試行錯誤と実践を記す。制度等はあくまでも青森県の場合です。

胃ろう造設②

どうも、もっちーです。

寒いですね。...と言いたいところですが、四六時中全館空調のぬくぬくな家にいるので寒さに疎いです。新築最高です。

さて、今回は胃ろう造設のお話の続きです。手術後から退院までの様子と、在宅で使っている感想をまとめます。ちなみに前回の記事はこちら↓↓

motchyals.hatenablog.com

 

手術後の様子

内視鏡による胃ろう造設の手術は無事に終わり、病室に戻りました。一応、簡単な手術とは言え手術は手術ということで、ドラマで見るようなバイタル測定の機械につながれしばらく安静でした。まあ、私は引き続き寝ていたのですが。

気づいたら夜になっていました。痛み止めが切れたのでしょう。激痛です。呼吸するのも辛いほどの痛みです。痛くて涙が出ました。思い出されるのは手術前日に看護師さんと交わした「大丈夫ー。胃ろうの手術の後痛いって騒いでる人みたことないからー」「はははーですよねー」という会話。ここにいたわ。フラグ回収が神がかってるにもほどがある。

こりゃあ我慢ならねぇということでナースコール。駆け付けた看護師さん、術後の夜中にいい年した大人が号泣してるわけですから「不穏」と捉えたのでしょう。「大丈夫だよ~、傷はきれいだし、今まで通り口からも食べれるからね」と天使の声掛け。いやいや、そうでなくてー、純粋に痛いんですー!と、必死に訴え、痛み止めの点滴を入れてもらえました。あのときは必死だったけど、何回思い出しても笑えるエピソードだわ。

 

傷が落ち着くまでは絶食でした。私は手術の次の日の夕方からごはんを食べられました。あのときのおかゆの美味しさといったら...!

胃ろうの方も同じくらいのタイミングで使い始めました。はじめは白湯を少しずつ流すところから。食後の薬もお湯で溶いてシリンジで注入。口から飲んでないのにちゃんと胃に入った感覚があって、なんとも不思議な気分でした。

 

10日後くらいだったと思います。抜糸をしました。胃ろうは胃と腹に貫通する穴をあけるのですが、穴をあけたまま胃ろうの部品を差し込むだけでは、胃でない身体の内部に流した液体が漏れてしまいます。それを防ぐために胃と腹を数か所縫い、癒着させるのです。その糸の抜糸です。

上でも書きましたが、私は今まで大きな病気もケガもしたことがなかったので、抜糸が結構軽い感じで行われたのにビックリ。先生がフラッと一人で来てジョキジョキ切るんだもん...ものの五分。勉強になりました。

このときに判明したことがあって。手術の後ずっと痛い痛い騒いでたのは、どうやらこの糸のせいだったようです。糸が...腹に...食い込んでる...ちーん。先生も「こりゃ痛いわ~」と。抜糸をしたら嘘のように痛みが消え去りましたとさ。

 

退院までに行うことは残り一つ。家族の胃ろう処置訓練です。私の入院した病院は結構厳しくて、通常は家族が毎日か一日おきに通って病棟の看護師さんの合格がもらえるまで、胃ろうの使い方や管理法を練習しなければなりませんでした。うちの場合は彼がやることになっていたのですが、いかんせん私が入院した時期はコロナによる面会制限の真っただ中で、病室に入って私本人を練習台にすることもできず、ナースステーションで説明と一連の流れを確認する程度で終わってしまいました。まあ、訪問看護さんしかしばらくは使わない予定だったので良かったんですけどね。

 

退院前のカンファレンスが行われ、主治医のオッケーが出たところで晴れて退院となりました。入院期間は18日間でした。

退院の日、すっかり季節が春から初夏に変わっていました。久しぶりに強めの日差しを浴びた私は、日光湿疹らしき激しいかゆみに襲われました。家に帰るまで気が抜けないね。

 

在宅での使用と感想

さて、胃ろう造設から半年たった現在、どのように使っているか感想を交えてまとめたいと思います。

 

現在、主に使っているのは週3回の朝の訪問看護のときです。朝食としてエンシュアHという液体のカロリーメイトみたいな栄養剤と、朝の薬をお湯で溶いたもの、あと白湯を少々流してもらっています。合計で200ccくらいでしょうか。少量なのでシリンジでチューっと入れてもらってます。

私は元からあまり水分を一気にお腹に入れれないタイプで(一気飲みとか無理)この量でもお腹がちゃぽちゃぽになってしまいます。なのでほんとは点滴タイプの方で時間をかけて流したらいいのでしょうが、訪看さんもずっとつきっきりというわけにいかず、かといってヘルパーさんは胃ろうを使えないルールになっているのでどうしようもなく、シリンジで短時間で流してもらっているのです。

その他は緊急で薬や水分をとらなきゃならないときに、訪看さんか彼に流してもらっています。便秘でお腹が張って苦しいときに水分を入れてもらったらとても効きました(笑)

 

最後に、今まで書いたことと重なるところもありますが、半年使って分かったことをまとめます。

 

☆お腹の傷のその後

 胃ろうは医療器具とは言え身体にとっては異物だし、お腹に穴が開いているので、何かの拍子に化膿したり肉芽ができたりします。通常はアズノールという赤ちゃんのおむつかぶれとかにも使うやさしい軟膏を器具と肌の間に塗って保護していますが、化膿したときはステロイド剤の出番です。さすがステロイド、すぐ治ります。痛みや軟膏で治らないようなトラブルは今のところありません。

☆管理の手間

 胃ろう自体は軽く洗って水気を拭き、先述の軟膏を塗って、摩擦防止にティッシュで作ったこよりをくるくる巻いておけばOK。問題は栄養を流すためのチューブやシリンジなど器具の管理です。洗って消毒をしてっていうのが細かいものが多いから若干めんどくさい...滅菌処理っていうの?胃ろうはそこまで必要でないんだけど、手間は手間だと思う。当たり前にやってくれる看護師さんには感謝しかない。

☆気を付けること

 それはただ一つ!服に引っ掛けないこと!!耳にピアスつけてる人はわかるでしょう?引っ掛かった痛み。こちとら腹にピアスです。勢いよく服を脱いだ時に引っ掛けたらさあ大変。悶絶。

☆胃ろうでも味はわかる

 これは体験してなるほどなぁと思ったこと。胃に直接流しても、においが上がってくるから味わうことができるんです!まぁ、香りの強いものに限るけどね。定期受診でエンシュアを処方してもらうときに、味の希望を先生に伝えたら、「胃ろうなのに味わかるのか~それは勉強になりました」と言われました(笑)確かにこの感覚は胃ろうを付けないと知り得ないかも。

☆交換の必要性

 私が付けたものは半年で交換です。その他にも簡単に着脱できるタイプのものだと1か月交換とか、様々あるようです。お気づきかもしれませんが、半年交換ということは...そうです!そろそろ交換時期です!蘇る胃カメラの恐怖(笑)今回は日帰り手術なので、何事もなく終わってくれないと困るぜ!

 

 

とても長くなってしまいましたが、前記事と合わせて「胃ろう」について私の体験談を書きました。胃ろうを作るということは、病気の進行を認めることになりますが、長く闘ううえで欠かせない相棒を得ることでもあると思っています。痛い思いもしましたが、早めに造って早めに慣れておけたので正解でした。

それでは、最後まで読んでいただきありがとうございます。

へばの~。