ALSと青森で自由に生きる。

難病ALSになった30代女性が、地元青森県で自由に生きるための試行錯誤と実践を記す。制度等はあくまでも青森県の場合です。

ALSの治療薬と私感

宝富士けっぱれ!

(宝富士=青森県出身力士、頑張れ!)

 

 

日本で認められているALSの治療薬は2つあります。

リルゾール(飲み薬)とエダラボン(点滴)です。

私は両方経験があるのですが、たった二つしかない治療薬なのに、なかなかなデメリットがありまして…

今日はこの治療薬に関する苦労話を。

※なおその薬がなぜ効くのかやどういった治験を経て今に至るのかといった話は省きます。

 

そもそも治す薬じゃない

大前提として知っていただきたい。

リルゾールもエダラボンも、解熱剤や鼻炎薬のように使うと症状が和らいだり機能が回復するものではありません。

呼吸器が必要になるまでの期間を数ヶ月延ばすというものです。

進行をちょっとだけ緩やかにする程度です。

なので以下に記載しますが、効果と副作用や手間暇を天秤にかけて、どちらもやらないという患者さんもいらっしゃいます。

それもアリですよね。

 

リルゾール挫折

ALSの確定診断を受けて難病申請の手続きを始めたのと同時にリルゾールを飲み始めました。

驚いたことが2つ。

値段と副作用です…

保険がきく処方薬であの値段は驚き。

月18000円位だった気が。

高い薬は本当に高いのですね!(元健康体の気づき)

難病申請していれば、医療費の上限があるとは言え、出費は出費ですからね…キツかった…

そして副作用。

私は口の中の痺れとめまい、だるさが出ました。

それがどんどん強くなり、仕事を休んでしまうことも…

最終的には血液検査で肝機能に異常が出てしまいドクターストップとなりました。

残念ながら私には合わなかった、という事ですね。

全く副作用がない方もいるそうで、そういう方々には限界まで続けて欲しいと思っています。

 

エダラボンは手間暇かかるよ

続けて点滴のエダラボン。

こちらは現在も辛うじて続けられています。

エダラボンもなかなか高価です。

が、それよりも行う上で大変なのは通院(もしくは訪看)の必要性と拘束時間だと思います。

飲み薬と違って自分で点滴をするわけにはいかないので、通院か訪問看護で実施しなければなりません。

通院だと移動方法、交通費、待ち時間、介助者の確保という問題が出てきます。

そしてこの点滴、実施期間が独特なんです。

14日(のうち10日)実施→14日休み→また14日実施…というサイクルです。

ついでに点滴そのものは1時間。

針の抜き差しや準備を入れると最低でも1時間半はかかります。

通院だと移動時間と待ち時間も加わります。

しかも期間中毎日。

どうですか?

なかなか大変でしょう??

 

私は、たまたま引き受けてくれる訪問看護ステーションがあったことと、仕事を休職し時間に余裕があったから出来ていますが、通院だったらやってません。

 

なぜ続けるのか

このように薬の効果の割には大変なことや生活におけるデメリットが大きいような気もしますが、私は出来るところまで頑張ろうと思っています。

効果がないと言う方もいますが、薬を使わない自分と使っている自分を比べることは不可能なので、だったらやりたいと思うのです。

最初に書きましたが日本で認められている、たった二つの治療薬です。

私には縋る価値のある貴重なものなのです。